いったーん

オクオカの
暮らしにふれる

地域活動への参加がきっかけで、その地域の魅力を知り、移住までしてしまった難波さん。地域への入り方についてお話を伺いました。

オクオカ暮らしのインタビュー

移住したまちで、どうしたら上手く暮らしていけるのかな。どんな暮らしが待っているのかな。移住前に抱える不安。その答えは実際にこのまちで暮らしている人の中にそのヒントがあり、またそれはこのまちの新しい入り口なのではないかと思い、インタビューに伺ってみました。今回は「地域の魅力を伝える」「オクオカ暮らしに近づく」「オクオカと暮らす」の3つのテーマにそって5つの質問項目を設け、それぞれの中から1つずつ選んでもらい、お話を伺いました。そして、インタビューの最後に「このまちの入り口を増やすにはどうしたらいいと思いますか?」という共通の質問を投げかけ、お話を伺った方々の地域に対する思いを聞いています。

お話を聞いた人:難波 敏憲さん
石原町での地域活動への参加経験や夏山に住む知人たちとの交流を経て、2023年にオクオカに移住。現在は市内の職場に勤務しながらオクオカでの生活を楽しんでいます。
中金(なかがね)町在住

難波さんとは、本プロジェクトをきっかけに知り合いました。事前に話を聞いていた通り、お会いしてみるととても気さくで優しくお話しやすい方でした。難波さんは、最初に物件を見つけてから移住されたのではなく、地域活動に参加し、地元の方とのつながりを作り、その方たちとの縁の中から自身が後に住むことになる物件を見つけ移住するという、地元の方との関係性を大切にされた方法をとられています。実際に移住してみてどうだったのか?移住することで見えた発見や気づきについていろいろと語っていただきました。

お話を聞いた日:2024年11月20日

この町に住んでよかったことは何ですか?

難波:このあたりって6月ぐらいにホタルがめちゃくちゃ飛ぶんですよ。昨年(2023年)の7月に引っ越してきたので、今年(2024年)になってはじめて気がつきました。「え、こんなところで見れるの?」っていうのが今年の衝撃でしたね。他のところからわざわざ車で見に来ている人がいるぐらいなんですけど、自分の場合、徒歩5分で見れるじゃんって。

岩ヶ谷:毎日飛んでいましたか?

難波:飛んでましたよ。「今日はいるかな?」って毎日見に行ってましたね。すごくよかった。普通の道路沿いでホタルが見れるというのは、もう少し宣伝してもいいのかなと思いますね。とはいえ、この風景は見てもらいたいけど、宣伝されて人が増えすぎるのも困る。そういう微妙な葛藤はあります。

岩ヶ谷:難波さんは自分の今の暮らしの様子を何かで発信されたりもしているんですか?

難波:発信したいなと思って、一応インスタグラムとかでは何回かアップしたことがあるんですけど、自宅を特定されてしまうのが嫌だなと思って、それっきりになっています。

岩ヶ谷:場所を特定されない程度に上手に発信していくのはありかもしれないですね。

難波:そうですね。いろいろな方がオクオカのイベント情報等をアップしており、とてもいいなあとは思うんですけど、個人でやるとなるとどうなのかと迷いが生じてしまいます。SNSの難しいところですよね。もう少しがんばってみようかなとも思います!お祭りの写真とかもアップしなきゃいけないなと思いながらできてませんね。

岩ヶ谷:お祭りをメインで頑張られている上の世代の方たちはあまりSNS等には詳しい世代ではないですよね。そういう意味では、若手や外から入ってきた方たちがSNSを上手く発信していくと広がりが出てくるかもしれませんね。

難波:積極的にアップしなきゃいけないんだろうなとは毎回思っていますね。

岩ヶ谷:よかったと思うエピソード、ほかにもあればぜひ聞かせてください。

難波:毎朝、自宅近くのお寺でお経を上げてから出勤するようにしているんです。それ自体も日課になっていて良いんですけど、毎月18日はここの観音様の縁日というらしく地元のおばあさま方が数名集まってお経を唱えてるんですよね。それでご縁があって僕もそれにも参加させてもらいました。いろいろ話を聞いたりするのが楽しいですね。

岩ヶ谷:仲間にいれてもらえたんですね。

難波:そうなんです。もともとその土地にある行事に外から来た人が入るのはちょっとハードルが高いはずだけど、このあたりの方々は自然に仲間として受け入れてくれる。それがいいなと思いました。お祭りもそうで、去年初めて参加させていただいたのですが、結構ウェルカム。本当に仲間として受け入れてくれるいい地域だなと感じました。

岩ヶ谷:自然に受け入れてもらえている感じがとてもいいですね。

難波:お祭りに去年参加させていただいた時は自分にも法被を支給してくれました。今年は祭典部といって、笛とか太鼓とか神輿のほかに音を奏でる部隊に入らせてもらって太鼓を叩かせてもらいました。


このまちは今後、どうなると良いと思いますか?

難波:ここには豊かな自然をはじめ宝物がいっぱいあると思っています。だからアイデア次第ですごくいいものができる原石がいっぱいあるんですよね。僕自身はそういうものをうまく活用できていないことがすごく歯がゆいところですが。だからアイデアをもっていて、資源を上手に活用できる人材が移住してくるといいかなと思っています。

岩ヶ谷:確かに原石ですね。本当に自然資源が豊富です。

難波:人がわんさか来たり、産業を誘致しようというのではなくて、いまの状況を守りながら、ほどよく活用できる人材が来るとすごくいいのかなという思いがありますね。空き家もあるだろうし、宿泊施設などももっとあっても面白いかもしれない。

岩ヶ谷:観光地として人に来てもらうということは皆さん頑張っているけど、たしかに空き家を資源に滞在できる場所が増えていくという発想もいいですね。空き家自体はあっても、それを貸すところまではなかなかいかないという話もよく聞きますが。

難波:そうですね。うまくマッチングして、活用できる方たちが来てくれると面白い。絵空事ですけどね。

岩ヶ谷:実際に地域に住まわれている難波さんがそう思われているというのは、すごくメッセージとして大事だなと思います。

難波:あとは資金ですよね。お金を集められる人が集めるか、お金を持っている人がやるかということになるとは思います。ちゃんとリノベーションして、自然を楽しむための環境づくりというのができれば一番ベストなのかな。

岩ヶ谷:すでにある宝を活かすための人や資金が必要ですね。

難波:あとは閉校になった建物の活用にも興味があります。そういった場所は何か新しいものを生むきっかけになればいいですよね。千万町だったり、ホタル学校もそうだし。ああいうのを個人レベルで活用できるような人がいたら面白いことになりそう。広い校庭を使ってキャンプ場にしたりしているところ地域もあるじゃないですか。そういうのができたらいいなって思うこともあります。


どうしたらこの町の入口が増えると思いますか?

難波:僕は移住してくる前に、石原町の「お助け隊」の活動に参加させてもらって、地域の人と交流できました。そのときに「ああ、いいところだな」と実感できたので、そういう地域の魅力を感じることができる場は必要かなと思います。参加したら面白いイベント自体も大事だし、こういうところがいろんな人を受け入れようとしているよっていう発信も必要ですね。ただ単に来て話を聞くだけじゃなくて、草刈り体験とか、何か体験させてもらえるようなイベントがあると面白いのかな。

岩ヶ谷:難波さんの地域への入り方は、すごいですよね!人とのご縁の中で出会いや暮らしに必要な情報をキャッチして、自身の暮らしを手に入れていく。どういうところを楽しんでいるのかとか、どういうところで困っているのかとか、そういうことを知ってから移り住む。模範的な移住のされ方だと思いました。

難波:ギャップみたいなのは少ないですよね。この間テレビでやっていたのは「田舎に移住して、俺が田舎を盛り上げるぜ」って来ても、実際住んでいる人はそういうことを求めているわけじゃないって話。住民の皆さんはある程度満足しているし、そんなにわんさか観光客に来てもらおうというのは考えていない。だったら移住する側ももっと地域の暮らしにどっぷり浸かって、まずは楽しむほうが僕はいいと思いますね。やっぱり軋轢を生んじゃうんですよね、意気込みすぎて入ってくると。

岩ヶ谷:素晴らしい。震えます。

難波:僕の地域への入り方を褒めていただきましたけど、実際は僕は僕なりにこの生活を満喫してるだけで大層なことはないんですけどね。地域の人とつながりを持ちたいからお祭りに参加してるだけですし。中には移住してきたけど、そういうのは別に僕はいいわ、っていう人もいらっしゃいますよね。僕はその人の意見なのでそれはそれでいいと思いますよ。僕はいろんなものに参加して移住ライフを楽しんでるっていう感じです。

岩ヶ谷:これからは難波さんがきっかけで人がつながっていくと思うんですよ。難波さんのお友達が一緒に祭りに参加するとか、難波さんのところに遊びに来て、すごいいいところだなとかって知ってもらうとか。だからそういう肩ひじ張らない、自然にいいなと思える価値観の中で輪が広がっていく瞬間を今見た感じがしました。

難波:ありがとうございます。

岩ヶ谷:まず移住ライフの発信を楽しみにしていますね。

難波:最近全然できていないですけれどね、がんばります。



インタビュアー

岩ヶ谷 充

8年前に岡崎市に移住。川とともにある暮らしの実現を目指し、地域の人々と活動を行う。犬が好き。